猫背ってどうしていけないの?
猫背はそもそもなぜ良くないのでしょうか?どうして猫背は治した方がいいのでしょうか?
猫背は見た目に「老いた」印象を与えるだけでなく、いつまでも元気で暮らしたいと思っている方には、色々とマイナスな面があります。
そのマイナス面をいくつかあげてみると、以下のようになります。
①見た目が老いた印象になる
②四十肩や五十肩の始まりは猫背から
③頭が前方に移動し、慢性的な肩こりの原因になる
④女性は特に気をつけるべき変形性股関節症や変形性膝関節症の原因となる
このように体幹部は体全体の中心部に位置するため、中心部の姿勢や機能に問題があると、その影響が肩・腰・股関節・膝に
影響を及ぼしてしまうんです。一つ一つ詳しく見ていきましょう。
猫背は見た目が老いた印象になる
以下の写真を見比べると一目瞭然ですが、同じ人物でもかなり見た目の印象が違いますね。
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また、見た目だけでなく身体の機能も衰えやすくなります。
例えば、猫背で万歳をするのと良い姿勢で万歳するのを比べてみると、明らかに猫背の方が腕が上がりにくいと思います。
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他にも身体が捻りにくかったり、歩幅が狭くなるのがわかると思います。
つまり猫背は、姿勢そのものが「老いて」見えるだけでなく動作も「老いて」見えてしまういます。
そして、猫背が普段の姿勢や動きとして定着してしまうの身体の機能はどんどん衰えてしまうのです。
四十肩・五十肩の始まりは猫背から
四十肩や五十肩は、肩甲骨や肩の動きが正しい動きができず、肩回りに負担をかけることで発症します。
ちょっとした負担が積み重なってある日突然、強い炎症が発生し肩が上がらなくなる、手が後ろに回せなくなるなどの症状が出ます。
強い可動域制限を伴う四十肩や五十肩は、一度発症すると治るまで半年から1年はかかる厄介な障害です。
ですので、予防が本当に大事なのですが、猫背が四十肩や五十肩の発症リスクを高めることがわかっています。
ポイントは肩甲骨なのですが、肩甲骨は背中にあり肋骨に接しています。ですので肋骨(胸郭)の状況に強く影響を受けます。
猫背の状態だと肩甲骨は、前に倒れ(前傾)、下方向に回転(下方回旋)してしまいます。
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肩甲骨資料
このような肩甲骨の状態は、正常な肩の動きを阻害し負担をかけることになります。
頭が前方に移動し、慢性的な肩こりの原因になる
人は倒れてしまわないように、猫背になると自然に頭を前に出してバランスを取るようになります。
猫背になると後方重心になるため、頭を前に出さないとバランスが取れないわけです。
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人間の頭は、体重の10%程度の重さがあると言われているます。50kgの人でしたら5kgですね。
この重たい頭が前方に移動してしまうと、頭が前に落ちるような力が常に働いてしまいます。
それを前に倒れないように支えてくれているのが、首や肩、背中の筋肉が常に緊張してしまうわけです。
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慢性的な肩こりがマッサージしても治らないのは、この姿勢が定着しているからです。
一時的には楽になっても根本原因である頭が前に出た姿勢が治っていなければまたすぐに凝ってしまいます。
猫背を治すと、頭は自然に背骨の真上に戻ってきやすいです。その結果、肩こりは改善していきます。
当店に通われているお客様で、定期的にマッサージに通っていた方がマッサージに行かなくなったというのは
本当によくあります。
女性は特に気をつけるべき変形性股関節症や変形性膝関節症の原因となる
当店にいらっしゃるお客様で私が本当に「もっと早く来てくれれば…」と思ってしまうお客様の症状は
変形性股関節症と変形性膝関節症です。どちらも「変形」と付くように、関節が長年の使い方が原因で関節が変形して
しまっている状態です。関節が変形してしまうと変形自体は手術以外では治すことはできません。(機能を回復させて楽にすることは可能)
ですので、いずれも変形をさせない予防が本当に大事です。
猫背がこの変形性股関節症や変形性膝関節症の原因になることを知らない方は多いのではないでしょうか?
猫背が定着すると、頭が前に移動する→骨盤が丸くなる(後に倒れる)→がに股になる→膝が曲がりO脚になる、という変化が自然に起きてきます。
股関節は骨盤にはまっている構造になっているので、骨盤の姿勢が崩れると股関節が不安定となり変形しやすくなります。
がに股になり、膝が曲がってきてしまうと変形性膝関節症の特徴であるO脚が助長されてしまいます。
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つまり変形性股関節症も変形性膝関節症も、その最初のきっかけは「猫背」ということになります。
ですので、年をとってから変形性股関節症や変形性膝関節症になりたくない場合は、姿勢をしっかり改善する必要があるわけです。
私は、これらの変形性の症状で苦しんでいるおばあちゃん(女性に多い)をたくさん見てきました。本当に辛そうです。
当店では、そうならないために将来を見越してストレッチやトレーニングを行っています。いつまでも元気にいるために本当に姿勢が大事、
ということがお分かりいただけるかと思います。
猫背はどうやって治すの?
さて、肝心の猫背の治し方です。いくつかの工程があり、その順番が大事なのですが、ご自分でも簡単にできるストレッチとエクササイズをご紹介します。
◉大胸筋ストレッチ
大胸筋は、胸の前側や鎖骨にくっついていて、大胸筋が固くなってしまうと巻き肩になり猫背姿勢を誘発します。
以下のように壁を使ってストレッチを行います。胸が伸びている感じがあればOKです。
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◉肩甲骨エクササイズ
イスに座り、壁にお尻・上背部・後頭部をつけた姿勢を取ります。顎が上がらないように顎のラインは床と並行にします。
その姿勢を維持したまま顔の前で肘を合わせます。そこから肘を開いて、壁に手の甲・肘・肩甲骨を押し付けます。
その時に、肋骨が前に飛び出さないように気をつけます。10回程度行うとよいでしょう。
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この2種類のストレッチとエクササイズをやるだけでも、胸が開いた感じがするのではないでしょうか?
2つ目の肩甲骨のエクササイズで、手の甲・肘・肩甲骨が壁につかない方や肋骨が前に出てしまう方は猫背が定着してしまっている
可能性が高いので、できるだけ早く当店へお越しください(笑)でも、冗談ではなくなるべく早く治しましょうね。